顧客(見込み客)の本当ニーズに気づかせる
「ダイエットをして痩せたい」と言っている人は、痩せることが目的ではないかもしれません。「ビジネスをしてお金を稼ぎたい」という人は、ほとんどの人が「お金さえ稼げれば満足だ」というわけではありません。ダイエットをして痩せるのも、ビジネスをしてお金を稼ぐのも、それは手段であって目的ではないからです。
お客さんが本当は何を望んでいるのか、お客さんの真の目的は何なのか、ということにまで思いを巡らせるべきです。その目的を達成させてあげるところまでは自社のサービスでは届かなかったとしても、真の目的を共有したうえでのサービス提供とそうでないものとは雲泥の差です。
また、お客さん自身も本当の望みや目的がわかっていないものです。漠然と表面的な問題を解決したいと思っているだけなのです。サービス提供によってその問題を解決できたとしても、「何か違うな」と感じてしまい、真に満足してもらえないということが起こります。お客さん自身にも、自分の本当に望んでいることを認識してもらう必要があります。
恥を忍んで弊社のことをお話します。
弊社では、過去にアフィリエイトビジネスで稼げるようになることを謳った講座を提供していたことがあります。ビジネスの内容や楽しさ、社会への貢献、その人の適性……といったことよりも、「稼げる」ことにフォーカスした講座でした。実際にアフィリエイトビジネスで稼げるようになった人も多かったのですが、講座が終わると間もなくしてほぼ全員がそのビジネスを辞めてしまいました。
「アフィリエイトビジネスで稼げるようになりたい」というニーズに応えて、その結果をもたらしたはずなのに、満足をしてもらえなかったのです。話を聞くと、「何か違う」「自分が本当にやりたいものではなかった」「もっと別のことがしたいと思ってしまった」ということを口々に言われました。弊社としても、十分なサービスを提供して望まれた結果を出したにも関わらずそうなってしまったことに、大変な衝撃を受けました。
当時の参加者が本当に望んでいたのは、「アフィリエイトビジネスで稼げるようになる」ことではなかったのだ、と講座が終わって初めてわかりました。そして参加者自身も、表面的な望みを訴えていたに過ぎなかったのだ、と痛感しました。
お客さんの本当の望み、真の目的がわからない状態でのサービス・商品提供は、お互いにとって悲劇でしかありません。本当の望みをお客さん自身に認識してもらい、それを教えてもらうこと、さらにはそれに寄り添ったサービス提供をおこなっていくことは決して簡単なことではありません。しかし、まったく不可能ということでもないのです。
お客さんの本当の望みに寄り添った問題解決をおこなって、真に満足していただけることが、絶対に離れない顧客を生み、ビジネスの安定と発展に不可欠です。